VOICEVOXとYMM

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【ゆっくりMovieMakerとの連携】

VOICEVOXはよくできた音声合成ソフトですが、音声合成だけではYouTubeなどに投稿することはできません。

動画生成・編集ソフトを用いて動画を生成し、投稿できる形式に変換する必要があります。

VOICEVOVにはキャラクター設定があり、イラストが表示されてもいますが、 イラストは元ネタの引用であったりイメージイラストなので、ユーザーが動画に使用する場合は自分で用意する必要があるのです。

「立ち絵」といわれるこのイラストについてはここでは説明は控えますが、

動画生成ソフトは有料のものから無料のものまでいろいろ存在しています。
無料のものではWindows用として「AviUtl」や、Mac用で「iMovie」などが知られていますが、VOICEVOXを使う上では「ゆっくりMovieMaker(YMM)」一択といってもいいかと思います。
無料で使えて、初心者でもそう苦労しないで使える割には意外に高機能で、VOICEVOXの連携をしておけばYMMだけで音声合成も可能となっています。

ここ、この記事のシリーズでは動画編集は「ゆっくりMovieMaker」を使う前提で説明していきます。

YMMとは

YMMとはゆっくりMovieMakerの略で、名称が示す通り「ゆっくり霊夢」「ゆっくり魔理沙」を中心にした「ゆっくり茶番」「ゆっくり解説」などの動画を作成するために開発されたソフトです。
「ゆっくりMovieMaker」は以降YMMと表記します。

YMMは「ゆっくり」動画作成用のソフトで「饅頭遣いのおもちゃ箱」によって開発されました。
旧バージョンでは「.ymm」形式で保存されるだけだったので「AviUtl」などで変換しないとYouTubeには投稿できなかったのですが、YMM4からは「.mp4」形式に変換できるようになったので、YMMだけで動画投稿ができるようになりました。

AviUtlは無料でありながら、いろいろなプラグインを付加することでクオリティの高い動画を生成することができますが、YMMも日々進化しているので、動画クオリティも使い勝手も進化し続けています。

現在はYMM4より前のバージョンはサポートが終了しています。

YMM4とYMM4-Lite

YMM4にはYMM4YMM4 Liteというものがあります。

何が違うのか?というと、YMM4 LiteはYMM4から音声合成エンジンのAquesTalkを除いたものであり、基本的な機能はYMM4でもYMM4 Liteでもほとんど変わりません

この話は実際の使い方にはあまり関係がないので、興味がない方は飛ばしてもらってもかまいません。

ここでポイントになるのはAquesTalkという音声合成エンジンです。

音声合成エンジンというのは言ってみればVOICEVOXの同類ですが、AquesTalkは「組み込み用」として開発されたもので、VOICEVOXのように単独で使えるものはありません。
どんなものに組み込まれているかというと、SofTalkUTAU棒読みちゃんなど、名の知れたソフトにも多く採用されています。
SofTalk、棒読みちゃんの語りを聞いてみるとわかると思いますが、やや棒読みのような口調が特徴で、「ゆっくり」動画のあの独特の語り口を支えているのがAquesTalkということです。

YMMはもともと「ゆっくりMovieMaker」の名の通り「ゆっくり」動画を作るために開発されていますので、AquesTalkが組み込まれているのが標準だったわけです。

AquesTalkは当初、非営利使用や個人使用の場合は無料で使うことができ、収益化するときに有料登録をすればよかったので、「ゆっくり」動画は容易に作ることができたのです。

ところが現在はYMM4に組み込まれたバージョンのAquesTalkはすべて有料になりました。
これによりYMM4自体は無料でインストールできるのですがAquesTalkに有料登録しないと動作しないということになってしまいました。

そこで登場したのがYMM4 Liteというわけです。

VOICEVOXとYMM4の連携

VOICEVOXで生成した音声をYMMに取り込むには3つの方法があります。
この記事では最終的に3つ目のYMMでの直接編集をお勧めしますが、それぞれの方法についても説明ししておきます。

ファイルを選択して読み込む

一つ目は🎵マーク(音声アイテム)として読み込む方法です。

VOICEVOXで保存したフォルダを開いて、使用するセリフを選択して読み込みます。

格納ファイルを事前に指定して自動で読み込む

二つ目はYMMであらかじめ読み取り先を決めておく方法です。

画面の下にある[キャラクターの編集]アイコンか、[ファイル]メニューから、キャラクターの編集を選択します。

ここでキャラクターの設定、立ち絵の設定、字幕の設定などを行います。

この記事ではVOICEVOXとの連携を説明するので、キャラクター設定は別の機会とします。

下のほうにスクロースすると、「カスタムボイス」という項目が出てきます。

ここで読み込むファイルフォルダを指定します。

まずは「有効」のスイッチをONにします。

「監視フォルダ」の枠の中にVOICEVOXで書出し場所に指定したフォルダを入力します。

ファイル名のところに使用するキャラクター名を入力します。

ここでは「りっちゃん」というキャラクターに波音リツの声を使っている例になっています。

YMMが立ち上がった状態で、VOICEVOXにテキストを入力し
[選択音声を書出し]すると
YMM側にセリフが表示されます。

ただ、ここでちょっと見てください。
「001 波音リツ(ノーマル)」と、セリフ以外の文字が入っています。

聞いてみると、セリフ以外のことは話してはいません。

このように表示されるのは、実はVOICEVOXの設定が不足していることが考えられます。
表示がセリフだけの場合はこの項は飛ばしてください。

本来はセリフのみ表示してもらわないとYouTubeなどのセリフ字幕としては違和感がありますね。

ではセリフ以外の文字が表示されてしまった時の設定を見てみましょう。

VOICEVOXの、設定>オプションを選択し、下にスクロールして「保存」の項目に移動します。

ここで「txtファイルを書出し」をONにします。

ここがONになっていないとWAVファイルをそのまま表示するので「通し番号」と「キャラクター名」が表示されてしまうということです。

ちなみにその下の「labファイルの書出し」というのは、口の動きに映像を合わせる「リップシンク」という技法を使うためのデータも書き出せるということですが、YMMではその恩恵はあまりわからないので、興味があったら試してみてください。

YMMでVOICEVOXの音調を直接行う

三つ目の方法ですが、YMMとVOICEVOXの連携においては実はこれが大本命の方法です。

YMMでセリフを入力したあとに、右のセリフが表示してある窓の下を見てみましょう。

「読み上げ速度」「声の高さ」「抑揚」という項目があります。

これはまさにVOICEVOXの右のメニューで設定した「話速」「音高」「抑揚」と同じものです。

VOICEVOXでは「1.0」を基準に「0.1」単位で調整しましたが、YMMでは「100%」を基準に調整するようになっています。

桁が違うので慣れないと「違うものかも」と思うかもしれませんが全く同じ調整ができます。

この調整はYMMの「キャラクター設定」で設定しておくと、毎回設定しなくてもセリフに反映されるので便利です。

クリックするとVOICEVOXと同じようなウィンドウが開きます。

ここでVOICEVOXと全く同じ調整ができます。

注意が必要なのは、「イントネーション」を調整してから「長さ」の調整をすると、「イントネーション」が戻っていることがあるので、一応切り替えたときは確認することをお勧めします。

直接調整がおすすめな理由

ここで、なぜ三つ目の直接調整がお勧めかというと、ここで行うVOICEVOXの音調は、YMMの調整機能である「音程・再生速度」を使用しているということがあるからです。

それではVOICEVOXの音調ではないのでは?というご批判や、VOICEVOX以外の機能で声を変えてしまって「VOICEVOXの音調」を語って良いのか?という疑問はあるかも知れません。

が、どこまで声をいじれるか?という限界への挑戦の結果ということで、参考にしていただける方も挑戦を楽しんでもらえればと思います。

調節調整をするためのVOICEVOX連携の設定

ここまでVOICEVOXとYMMの連携の説明をしてきましたが、YMMはその名の通り「ゆっくり」動画を生成するためのシステムで、ゆっくりボイスをつくるAquesTalk以外の音声合成エンジンは組み込まれていません。
YMM4 Liteに至ってはAquesTalkも入っていないので、それだけではほとんど何も話せない状態です。

音声ファイルを外部ファイルとして取り込む場合は必要ありませんが、YMMには音声合成エンジンを連携させる必要があります。

この記事はVOICEVOXの使い方の記事なのでVOICEVOXの連携を説明しますが、A.I.VOICE、CoeFont、COEIROINK、TALQuなども基本的な方法は同じです。
エンジンによって中の設定はいろいろなので、くわしくは饅頭遣いのおもちゃ箱のゆっくりMovieMaker4の説明を参照してください。

基本的な操作としては

メニューバーの[表示]、プルダウンメニューの[設定]を選択します。

設定の小窓が開いたら、左側のスクロールを下の方に動かすと音声合成エンジンが表示されます。


ここでVOICEVOXを選択すると、右の窓にVOICEVOX、VOICEVOXnemo、COEIROINKなどが表示されます。
一番下に最近話題のAivisSpeechも表示されています。

・VOICEVOXを選択して
・[実行ファイル]の右にある[フォルダ]マークをクリック
・音声合成エンジンの実行ファイル「VOICEVOX.exe」を選択

することでキャラクターの再読み込みをして、それが終了したらOKです。

まとめ

VOICEVOXのおすすめ記事ですが、VOICEVOXをつかうなら「ゆっくりMovieMaker(YMM)」の連携が絶対便利ということで、YMMの説明もしました。

連携の説明のところでも触れましたが、思い切った声調整をするには動画生成側の調整も必要です。
といってもVOICEVOXの声を壊すことが目的ではなくて、優しい声に振ってみたいとか、幼い声が少しだけ大人っぽい声にならないかとか、そんなところからスタートした声調整です。

一度、VOICEVOXもYMMもセットアップが終わっているPCから手順を引っ張り出して紹介しているので、もしかしたらもっと手間がかかるかもしれませんし、逆に勝手に設定できているところもあるかもしれません。
日々進化しているバージョンによっても違いがあるかもしれません。

そういう情報がありましたらこっそり教えていただけると助かります。

最後になりますが、ここまでお付き合いありがとうございました。
楽しい声調仲間になれたらうれしく思います。

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